日本在宅ホスピス協会

第150号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。短い春が終わり、もう夏のような陽気です。皆様、いかがお過ごし でしょうか?1 月から HHA で認定の始まった THP 制度ですが、新制度になってから初めての THP も誕生し、認定施設としても全国 13ヵ所とたくさんの方に協力していただいています。少しずつ問い合わせも受けており、今後たくさんの THP が誕生していただける予感がします。ご興味のある方はぜひ、本部またはお近くの認定施設にお問い合わせください。

さて、今回は今年の 9 月に全国大会をお願いしている奄美大島から大会長の徳田先生から大会についてのお便りです。普段激務をこなしていらっしゃるみなさん、少しのんびり奄美大島で在宅緩和ケアについて語り合いませんか?みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。


日本在宅ホスピス協会会員のみなさま

ファミリークリニックネリヤ 徳田英弘

「在宅医療充実度ランキング(文芸春秋 5 月号)で、日本一」になった地域をご存じでしょうか?答えは、第 18 回日本在宅ホスピス協会全国大会の開催地『奄美』です。そして、奄美は、「世界自然遺産」登録に向けて、準備を進めている地域でもあります。

いよいよ、大会まで、4 か月余りとなり、ゆったりと時間が流れる癒しの島のメンバーも、さすがに尻に火がついて、準備が進み始めています。大変遅くなりましたが、奄美大会についてご紹介させていただきます。

日時は、2015 年 9 月 21 日(月・敬老の日)、22 日(火・国民の休日)、23 日(水・秋分の日) と、土曜から数えると 5 連休の後半です。台風が心配との声もありますが、9 月に台風が 300km 以内に接近する平年値は 1.1 個で、関東地方と一緒です。私自身も、台風で出張を取りやめたことはほとんどありません。無事開催できるよう、ともにお祈りいただければ幸いです。

さて、「癒しを提供するものが癒される」ための企画のご紹介です。

9 月 21 日のウェルカムパーティーは、第 1 回大会、ハワイ大会にならって、「海に沈む夕陽と満天の星空で癒されて、島の食材バーベキューと厳選黒糖焼酎」をコンセプトに、日本の渚百選にも選ばれた大浜海浜公園内で行います。

9 月 22 日の午前中は、癒しの島・奄美を満喫していただくべく、オプショナルツアーのみといたしました。碧い海をお好みの方には「タラソセラピー」、世界自然遺産の緑の森を訪れたい方には「マングローブ原生林カヌーツアー」、精巧さと艶やかさを兼ね備えた「大島紬製造見学」「大島紬着付体験」をご用意しております。

それから、本題の大会の今回のテーマは、『離島でもできる在宅ホスピス』~在宅ホスピスケアを全国津々浦々まで~です。
メイン会場となる、奄美文化センターは1階だけでも 800 名収容のホールです。奄美大島の人口は 7 万、奄美群島併せても 11 万の地域です。ここを満席にできるのは、B’z や、カラオケバト ル6冠の女王の城南海のコンサート並みの催しです。そこで、小笠原先生をはじめ、B’z に並ぶほどの方々にお越しいただくことになりました。

分科会1は、「在宅ホスピスの多職種連携と THP の役割」コーディネーターは、正野逸子先生、 末永真由美先生、パネリストは、木村久美子さん、大石春美さん、田實武弥さん、盛谷一郎さん
分科会2は、「2025 年多死社会に向けてのスピリチュアルケア」コーディネーターは、二ノ坂保喜先生、松下格司先生、パネリストは、小澤竹俊先生、沼口諭先生、磯野真穂先生、弓削政己さん
分科会3は、「非がん疾患の在宅ホスピスケア」コーディネーターは、荻野裕先生、遠矢純一郎先生、パネリストは、成田有吾先生、市原美穂さん、里中利恵さん、大山真奈美さんにご登壇いただきます。
分科会4は、ポスターセッションとして、在宅ホスピスにかかわる演題を、全国に募集させていただきます。退院支援、訪問服薬指導、訪問リハ、小規模多機能・・・などなど、さまざまな視点 からご応募いただければ幸いです。
懇親会は、シマ(地域社会)の「結いの精神」の基盤である、島唄、八月踊り、奄美の黒糖焼酎 などを、味わっていただきたいと思います。さらに、交流会(二次会)でも、地元で厳選した黒糖 焼酎を堪能していただきます。
9 月 23 日の市民公開講座では、厚生労働省大臣官房審議官・武田俊彦さんにご講演いただいた後、 「離島でも、おひとりさまでも、自宅で最期まで」をテーマに小笠原文雄会長と在宅看取り8割の島・与論島の古川誠二先生にご講演いただきます。

最後に二つお願いです。一つは、台風で中止にならないようにお祈りいただくこと。もうひとつは、800 名収容のホールが埋まるほどの方々にお越しいただくことです。

9月は、在宅医療充実度日本一、世界自然遺産候補の奄美で、ともに学び、ともに癒されますことを・・・。みなさまのご来島を心よりお待ちしております。

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ニュースレター第150号

第149号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。年が明け、早いものでもう 2 月も終わりです。新年のご挨拶が遅れましたが、今年も全国に在宅ホスピス緩和ケアの輪を広げる為に微力ながら活動していきたいと思 いますので、皆様ご協力の程、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、福井での総会でお知らせし承認されたのを受け、2015 年 1 月 1 日より HHA ではトータルヘルスプランナー(THP)と呼ぶ、多職種連携の KeyPerson の認定を始めました。

HHAで認定するTHPとは?
在宅医療(ホスピス緩和ケア)のキーパーソンで、患者さんを看取りまで心豊かに支えると目標を掲げた時、将来起こりうるすべての障害を予測し、適宜対応することで目標を完遂できる、そういう視点と実行力(実力)を有する人材です。THPは患者の病状をはじめ、介護力の有無や経済状況、家族の考えなどを考慮し、患者の希望を実現できるチームを作ります。それぞれの得意分野や特徴、対応のスピード などを熟知し、地域にバラバラにいるメンバーを結集してまとめ上げていく役割を担い、チームの中で連携・協働・協調+介入をします。

THP は名古屋大学大学院医学研究科において平成 19 年 4 月に養成が始まりましたが、HHA の本部である小笠原内科でも“在宅版 THP”を平成 20 年より認定し始めました。現在 THP の認定を受けている方は看護師 30 名、MSW 1 名の計 31 名で、宮城県から鹿児島県まで全国にいらっしゃいます。小笠原内科で認定した THP は 5 年間の間、暫定的な HHA 認定 THP となります。

今後、新たに THP をなられる方はまず同封した THP 認定基準の自己採点で 30 点以上点数があ ることが第一条件です。自己採点で 30 点を満たした方は次に認定施設に研修に行っていただきます。認定施設での研修、面接(必要があれば本部での研修)を経て最終的に 80 点以上の点数を満たす方が THP と認定されます。THP として一番大切なのは実践能力ですので、認定は研修、面接 に重きを置いています。現在は看護師を念頭に置いて研修・認定を行っていますが、今後 MSW な どほかの職種の方の認定も検討していく予定です。

まだまだこの認定制度は始まったばかりですので検討していかなければいけないことも多いですが、皆様のご協力を得て、多くの方に THP の存在を知っていただけたら…と思っております。

一昨年、小笠原内科へ THP の研修に来てくださり、その後 THP として活躍していただいている高梁市川上診療所の大田文子さんからの THP レポートをお送りします。大田さんのように活躍 していただける THP がこれからも全国に増えることを祈っております。
THP についてのお問い合わせ、ご質問などはお気軽に小笠原内科内、日本在宅ホスピス協会事務局までお願いします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


トータルヘルスプランナー(THP)取得 1 年を振り返って

社会福祉法人旭川荘 高梁市川上診療所
看護師 大田文子

一昨年7月、小笠原先生のもとにお伺いし、トータルヘルスプランナー(以後 THP)に ついてご指導を頂いてから、1年が経過しました。訪問診療や訪問看護に同行し、在宅医療、 THP の役割、地域連携のシステムについて学び、その後の業務に大きな力を頂いた研修でした。小笠原先生、訪問看護ステーションの在宅医療での積極的な関わりを見ることができ、 THP の機能を地域に広げ、看取りまでを支えていく姿勢に感激をして帰ったことを、今でもよく覚えています。

当診療所は、岡山県中西部の山間の町の国保診療所で、15年前より在宅医療、在宅緩和ケアを積極的に行ってきました。平成25年度は、年間2400件の往診、訪問診療を行っ ています。(※図1)特に、高齢化率約50%、独居・高齢者世帯も多い地域ですが、住み慣れた町で生活したい、最期まで家で暮らしたいという思いに寄り添って関わっていく中で、 介護力、介護者の問題で入院となるケースもありました。中山間地域で限られた医療・介護 サービス資源を効率的に利用し、在宅医療チームと地域や多職種との円滑で有効な連携を図るため、医療・介護の橋渡しをする「在宅医療コーディネーター」を 3 年前から担当し、介護職にもわかりやすく情報を伝え、在宅高齢者に適切でスピーディ―に対応するため、多職 種への連絡、調整、提案を行ってきました。

一昨年、研修に参加し THP とは、様々なサービスをコーディネートし多職種連携のキー パーソンとしての存在でなくてはならないということが分かりました。都市部では、医療機 関、介護サービスがすべて整備されていて、担当者会議の調整、医師、訪問看護師へのサポート、ケアマネジャー、介護職への教育、ボランティアの養成等連携の内容は多岐にわたっていました。医療の知識もあり、生活全体を支える訪問看護ステーションの看護師が中心と なり、THP はその先頭ではなく専門職がそれぞれに力を発揮できるための調整をすることが大切であると思いました。さらに、患者、家族、多職種との連携だけではなく、今後はもっと視野を広げ、地域住民に対して地域医療、緩和ケアの知識を広めていくことも必要だと 思います。

川上診療所のがん患者に対する在宅緩和ケアの実績は、THP 研修以前の平成19年7月 ~25年6月の 6 年間で57名です。そのうち、病院で亡くなった方18名、入院の理由の7割は介護力の不足でした。自宅か地域での看取りは39名、在宅看取り率68%でした。

THP 研修後の1年間で 9 名に在宅緩和ケアを行い、在宅看取り率は100%でした。こ のうち、1名は、高齢者住宅での看取り、1 名は、独居の方でした。(※表1)看取り率が 100%となった一番の理由は、介護者の支えがあったことで、最期まで住み慣れた家で暮らしたいとの思いを叶えることができたと思います。そして、THP の研修を受けたことで、 患者、家族の痛みや不安をサポートする自信と在宅医療チーム全体の多職種に対する相談窓口、医療的な知識の情報提供、生活を整える介護サービスの迅速な対応の提案などを意識してかかわることができたと思います。高齢者住宅での看取りは、地域での看取りのケースでもあり、見守りの地域住民の方への関わりにも配慮する役割を学ぶことができました。

また、昨年4月よりこの地域に必要とされていた24時間体制の訪問看護を始めました。 独居の方の看取りでは、病気や医療従事者の受け入れが困難な時期がありましたが、頻回の 訪問診療、訪問看護によって信頼関係が築け、不安はありましたが「この家がいちばんいい。」 という思いを叶えることができました。

これらのケースを通して、主治医との連携、看護師のモチベーションに繋がり訪問看護の役割をあらためて認識できたと思います。
THP の研修を通して、在宅医療に対しての様々な工夫を学ぶことができました。その、力を在宅看取り率アップや訪問看護のやる気へ繋げることができたと思います。 今後、地域住民にもはたらきかけ、在宅医療を支えていけるよう地域医療のレベルアップを図っていきたいと思います。

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ニュースレター第149号

第148号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。福井での全国大会が大盛況のうちに終わりました。タグ付き蟹の ウェルカムパーティーから始まり、分科会、ワークショップ、学生セッション、ポスターセッショ ンと盛りだくさん。懇親会、交流会も大いに盛り上がり、最後は市民公開講座で幕を閉じました。 今回全国大会を運営して下さったオレンジホームケアクリニック紅谷先生はじめ、福井の皆様、素晴らしいおもてなしをありがとうございました。全国大会の様子はまた次のニュースレターもしく は HP でくわしくご紹介したいと思います。

事務局からのお知らせ。1 つ目は新役員の方の御紹介です。
世話人 <医師> 在宅医療 敬二郎クリニック 三宅敬二郎先生(香川県)
三宅先生、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

2つ目のお知らせは在宅フォーラムについてです。岐阜在宅ホスピス研究会、岐阜県在宅療養支 援診療所連絡会との共催にて 12 月 20 日岐阜市にて在宅フォーラムを行います。講師は HHA 役員でもいらっしゃいます在宅ホスピスとちの木の渡辺邦彦先生です。岐阜県開催ということで足を運びにくい方もいらっしゃり恐縮ですが、案内状を同封いたしますのでお時間がございましたら是 非ご参加下さい。

3つ目のお知らせはおめでたい話題です。日本医師会と産経新聞社が主催で「地域の医療現場で 長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当てて顕彰すること」 を目的とした日本赤ひげ大賞が今年も決定しました。昨年第 2 回の時には当協会の世話人でいらっしゃいます野村内科クリニック野村良彦先生が受賞をされましたが、第 3 回を迎える今年はこちらも当協会の世話人をお願いしております福岡県 にのさかクリニックのニノ坂保喜先生が選ばれました。

あるべき在宅医療・介護を目指し患者に寄り添う
二ノ坂 保喜(福岡県)
スクリーンショット 2015-12-17 21.41.12「人生の最期は生活から切り離された病院ではなく、住み慣れた我が家で豊かな生活を過ごしてほしい」との思いで、足しげく患者宅に通い、 患者やその家族とのふれあいを大切にしている。また、在宅医療への地域の理解を深めるために、在宅ホスピスのガイドブックを作成したほか、 在宅介護を支えるボランティアの育成にも力を入れている。

(日本医師会赤ひげ大賞HPより引用)

ニノ坂先生、おめでとうございます。今後とも当協会の世話人としてお力をお貸しいただけるよう、どうぞよろしくお願い致します。
これから冬も本番です。会員の皆様、体調を崩されませんよう十分気を付けて毎日をお過ごしく ださい。

ニュースレター第148号

第147号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。暑かった夏も終わりに近づき、いよいよ年に1回の全国大会の日が迫ってまいりました。

今回は今年の全国大会の大会長を務めていただきますオレンジホームケアクリニック紅谷先生 からのお便りです。ウェルカムパーティー、懇親会、オプショナルツアーと様々な企画を考えて下さってい るようです。たくさんの皆様に福井でお会いできるよう、楽しみにしております。


第 1 回のあのキャンプファイヤーのように!第 4 回大会をハワイで開催したように…。「第 17 回日本在宅ホス ピス協会全国大会 in 福井大会」を皆さんの思い出に残る大会にしたい!そんな想いで準備を進めています。

皆さんは福井にいらっしゃったことはありますか?そう何度も福井に訪れることは無いのではないでしょう か。だからこそ、せっかく福井に来られた時に、福井を満喫して頂きたい。福井の魅力を皆様に十分に味わって 頂くために、今年はなんと、8コースものツアーをご用意しました。半日コースから 1 日ガッツリ福井体験コー スまで、多彩なラインナップで、どのコースを選ばれても福井の魅力を十分に感じて頂けます。

また、もう一つの魅力は、福井が全国に誇る味覚「越前がに」です。例年の大会は、夏から秋に開催するのが 通例ですが、今大会はぜひ皆様に「越前がに」を味わって頂きたいとの想いから、蟹漁解禁直後の 11 月に開催 とさせて頂きました。ウェルカムパーティーでは、越前がにの証である黄色いタグをつけた本物の越前がにをご 準備する予定となっております。著名人もお忍びで毎年訪れる程の魅力。ウェルカムパーティー参加者の中から も、毎年福井を訪れる方が現れるのではないかと期待しております。是非、その際はオレンジホームケアクリニ ックにもお立ち寄り下さい。

さて、そろそろ大会の内容についても気になってこられたのではないでしょうか?今大会は、「つながる、は ぐくむ、ひろげる」をテーマに講演や分科会を用意しています。退院支援やホスピスマインド教育、スピリチュ アルケア、そしてまちづくりといった多彩な内容、かつ魅力的なパネラーを予定しています。詳細につきまして は、ホームページなどで情報を随時発信していきますのでご確認下さい。そして「わたしのケア自慢会」という ポスターセッションも計画中です。大変だったけど思い出に残るケア、一丸となって取り組んだケア、みんな笑 顔になったケア…。皆様それぞれ自慢のケアがひとつやふたつでなく思い当たることと思います。ぜひ、思いっ きり自慢して下さい。この企画は一般市民にも公開できる形で掲示する予定です。在宅ホスピスの魅力を市民に も届けましょう。

また、今大会の実行委員会には、福井で在宅ホスピスケアに力を注ぐ多職種のメンバーが集まって下さってい ます。その中には医学生も意欲的に参加してくれています。学生企画のプログラムも計画中です。学生の若いパ ワーもぜひ感じて下さい。そして、未来の在宅ホスピスについて語り合いましょう!

最終日の締めくくりに相応しい市民公開講座の企画は、小笠原会長、長尾和宏先生による講演「最後まで自宅 にいるという『ぜいたく』」です。タイトルにあるようにまさに「ぜいたく」なこのセッション。多くの一般市 民に聞いて頂き、福井から日本中に在宅ホスピスの輪が広がればと考えています。私も今からとても楽しみに、 ワクワクしております。

「癒しを与えるものは、自らが癒されてなくてはならない」という小笠原会長の言葉を受け、皆様をこの福井 でおもてなししたいと思っています。皆様もぜひワクワクしながら福井にお越し頂き、日ごろの疲れをおいて、 エネルギーを吸収して帰って頂ければと望んでいます。

ニュースレター第147号

第146号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。日中汗ばむ日も増えてきましたね。診療報酬改定から 1 ヶ月が過ぎました。 施設系の在宅医療では直前で添付資料の提出を見送るといった連絡が来るなど現場は少し混乱していたよ うに思いますが、いかがでしょうか?
今回は前回のニュースレターでもお知らせしました「日本医師会 赤ひげ大賞」を受賞された野村内科ク リニック 野村良彦先生からのお便りです。


“第2回 日本医師会 赤ひげ大賞”を受賞して

野村内科クリニック院長 野村 良彦

平成 26 年 3 月 28 日、帝国ホテルで日本医師会主催の赤ひげ大賞の表彰式がありました。“赤ひげ大賞” は、地域の医療現場で長年に渡り、健康を中心に地域住民の生活を支え、その地域のまちづくりに寄り添っ た活動を続けている 70 歳未満の医師を顕彰する賞であります。

私は平成 7 年 2 月に開業するにあたり、「地域住民が健康的な生活管理を推進し、高齢になっても安心して暮らし、安心して死ねる地域になれるように、医療面から支えられる医師でありたい。」と思いました。 ちょうどその年の 11 月に、川越博美会長によって在宅ホスピス協会が設立され、それに賛同し、「在宅ホスピスケアの規準」を、川越御夫妻を中心に世話人会で作り上げました。その思いには熱いものがありまし たが、開院5年目頃には「かかりつけ医」「地域医療」「在宅医療(在宅ホスピスケアを当然含む)」の3つのキーワードが確立してきました。在宅がん終末期を自然経過にゆだねるケアは、柳田邦男さんと患者さん に哲学と個別性を教えられ、医療者の立場からは川越厚先生・鈴木信行先生の言葉が私を成長させて頂けたと思っています。
しかし、「ゆりかごから墓場まで」の在宅医療は、在宅ホスピスケアの規準だけでは私の在宅患者全てをコントロールしきれないのです。(たとえば神経難病や小児、障害者在宅医療等)とは言っても、在宅ホスピスケアが私の在宅医療の原点である事に変わりはありません。

気が付けば19年が過ぎていました。横須賀市医師会からの推薦文が県医師会を動かし、日本医師会の赤 ひげ大賞選考委員会で選ばれた事は、私の19年間を高く評価して頂けたものとして非常に嬉しく思います。 私のかかりつけ外来には、月に1000枚のレセプトがあります。それに加え、在宅レセプトは約100枚ではありますが、かかりつけ外来から、かかりつけ医の在宅へのスムーズな移行を理想としています。病 院からの在宅医療の問い合わせは、ほとんど癌の終末期になってきました。これまでひたすらキュアを目指 してきた病院医にも、変化が起こり始めています。我々、在宅医の病院医への啓蒙も、これからさらに重要 になると思われます。

スクリーンショット 2015-12-17 21.26.47上記3つのキーワードに共通している事は「近接性」です。 生活まで把握出来る距離に居なければ、「かかりつけ医」とは 言えません。脚の届く範囲でなければ、地域医療とは言えま せん。家・家族・生活のない在宅医療は有り得ないのです。 患者さんには“がんばらない”と説き、自分にはがんばり過 ぎないで、良い加減の医療を後7年続けます。
日本在宅ホスピス協会が小笠原会長になって、世話人の進 退を悩んでまいりましたが、御意見番的長老として数年は続 ける所存です。ありがとうございました。

 

ニュースレター第146号

第145号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。当会設立初期からの会員で世話人の神奈川県 野村内科クリニック
野村良彦先生が「日本医師会 赤ひげ大賞」を受賞されました。

「日本医師会 赤ひげ大賞」は、公益社団法人日本医師会と産経新聞社が主催となり「地域の医療現 場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当てて顕彰するこ と」を目的として、ジャパンワクチン株式会社の特別協賛、厚生労働省、フジテレビジョン、BS フジの後援の下、平成24 年に創設したものだそうです。

【対象者】
日本医師会の会員及び都道府県医師会の会員で現役の医師。ただし、現職の都道府 県医師会役員は除く。原則として、70 歳未満の方を優先。
【推薦方法】
各都道府県医師会長が1名を推薦
【推薦基準】
・過疎の医療現場、特にへき地や辺地、離島などで、住民を支えている医師
・障害をもった方や高齢者が安心して暮らせるような活動を行っている医師
・地域における学校保健活動、公衆衛生活動を通じ、特段に地域住民の健康管理を推進している医師
・医療環境整備や社会活動を通じてまちづくりへ貢献している医師
【選考委員】
羽毛田信吾 (昭和館館長、宮内庁参与)、向井 千秋 (宇宙航空研究開発機構 特任参与)、山田 邦子 (タレント)、小林 光恵 (作家)、原 德壽 (厚生労 働省医政局長)、外山 衆司 (産経新聞社専務取締役)、河合 雅司 (産経新聞 社論説委員)、他日医役員等

今回、島根県から北海道まで5人のお医者さんが選ばれました。
そのおひとりが野村先生です。

スクリーンショット 2015-12-17 21.19.18■神奈川県 野村 良彦(ノムラ ヨシヒコ)先生(67 歳)
三浦半島で最寄りの駅まで3kmという交通が不便な地域で開業 し、外来診療から在宅診療まで「かかりつけ医」として幅広く患者 のニーズに応え続けている医師。在宅医療では、多岐にわたる疾病 や障害の方1,000名余りを担当され、500 名以上を看取っている。 また、市民活動として、がん患者を対象とした「がんなんでも相談」 等を実施するなど、地域医療に多大な貢献をしている。

 

野村先生、本当におめでとうございます!!これからも HHA の世話人としてお力をお貸しいただけるとありがたいと思います。お身体を御自愛なさって、今後ともどうぞよろしくお願い致しま す。

ニュースレター第145号

第144号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。春の足音もすぐそこまで迫っています。消費税増税と診療報酬改定もすぐですね。今回の診療報酬改定では、施設系の在宅医療点数が大幅に引き下げられ各方面から様々な反応が見られています。悪徳業者の是正が目的のようですが、よい方向へ進んでくれるといいのですが…

今回は日本在宅ホスピス協会顧問の川越厚先生からの最新で非常に重要な情報提供と THP の吉田美由紀さんからのお便りです。THP認定に関しては役員 10人で認定委員会を立ち上げ、現在認定基準を検討中です。4月から施行の予定でしたが、よりよいものを作る為、少し遅れることになりそうです。また皆さんには改めて報告したいと思います。


医療行為に関する法医学的研究

医療法人(社)パリアン クリニック川越・院長 川越 厚

医政局医事科が管轄する班会議の中に、医療行為に関する法医学的研究班という小さな班会議が組織されている。班長は山本隆司東大法学部教授、3名の法律専門家、3名の医療関係者が班員として名を連ねている。医療関係者の班員は藤川謙二日本医師会常任理事、末永裕之日本病院会副会長、そして一診療所医師 である川越である。私が班員に選択された経緯は定かでないが、身軽な存在であることと現場をよく知っている人間ということで選ばれたのではないか、と勝手に解釈している。この班会議は規模こそ小さく二回の会議を持って終了となったのだが、その国家戦略的な意義は非常に大きいので、概略を紹介したいと思う。
ご承知のごとく老健法の制定(1982 年)に端を発した在宅医療の推進は、医療法の改定(1992 年)を持って国家戦略の大きな柱として位置づけられ、それに沿った様々な法制度の整備(その代表が 2000 年の介 護保険法の制定)が今に至るまでなされてきた。在宅療養支援診療所制度の新設、機能強化型在宅療養支援 診療所への発展、整備などはこの流れの中に位置づけられる。もちろんその他、介護用ベッド、入浴サービ ス、高カロリー輸液の薬剤調達、在宅酸素用の機器、医療用麻薬の整備など、枚挙にいとまがないほどのさ まざまなサービスの充実がなされており、25 年前から不自由な環境の下で在宅ホスピスケアに取り組んで きた者にとっては、夢のような時代に突入したと言っても過言ではない。
ただし在宅医療の環境がすべて整ったかというと、決してそうではない。特に、在宅ケア推進の上で要となる医師や看護師の働きに関する法的規制(いわゆる医師法、保助看法など)は昔のままであり、現実にそぐわない不自由な法律規制の中で、医療者は忍耐強く在宅医療を提供している、というのが現状だ。これは 医療者が我慢すればよい、という問題ではない。患者や家族が大きな不利益を被るという、あってはならない事態が現実に起きているからである。
医師法、保助看法は、“医療行為は医療機関で行わなければならない“という前提に成り立っており、医療 法改定(1992 年)当初より、時代にそぐわないという指摘があり、検討課題として俎上に載っていた。ただしその解決法は法律の改定というよりも、運用上の問題として対応してきた。坂口厚生大臣(当時)の時に組織された「新たな看護のあり方に関する検討会(通称“あら看”、2002 年 5 月第一回会議)」は、まさ にこの流れに沿うものであった。あら看は医政局看護科の主導であり、その中心課題は“看護師の裁量権の拡大”であった。
私はこの会議に一委員として参加したがあら看終了後、医政局看護科より医療技術評価総合研究事業の一 環として「在宅療養者の看取りにおける訪問看護師と医師との連携に関する研究班」を組織してほしいとの 依頼があり、現行の医師法、保助看法の改定は行わないで、運用面の問題として「看護師の裁量権を拡大するための方便」を検討することになった。この結末に関しては原著などで詳細に報告しているので興味ある方はその文献*にあたっていただきたいが、要は「各医療機関で特定の医行為に関する事前約束指示を作成 し、一定の条件下で医師の診察を省略してその医行為を実施してもよい」ということであった。
今回の山本班でのまとめをひらたく言えば、一定の条件を満たした場合に限って、特定の医行為を看護師の裁量で行うことができる、ということだ。その条件とは、“手順書”を各医療機関で作成し、看護師に一 定いじょうのレベルを持たせることである。これから政治的な判断などで最終的な形に落ち着くと思われるが、言葉こそ違え(たとえば“手順書”を私は”事前約束指示書“という言葉を用いた)、以前川越班まと めた内容が特定医行為の法改正に大きな影響を与えたと考えている。それはともかくとして、我々が関わる がん患者の在宅ホスピスケアでも、各医療機関に手順書を作成することが求められることになるはずである。 蛇足になるが、昨年上梓したテキスト(川越厚:がん患者の在宅ホスピスケア、医学書院、2013)にこの 問題に関する解説、手順書のひな型を詳しく記しているので、興味ある方は参考にしていただきたいと思っている。
*Hirono Ishikawa ,Koh Kawagoe ,Masayo Kashiwagi, Eiji Yano:Nurse-Physician Collaboration in
Pain Management for Terminally Ill Cancer Patients Treated at Home in Japan. 255-261,2007.
川越厚:在宅末期がん患者に対する医療行為
1.医師と看護師の連携と,指示のありかた 訪問看護と介護 13:46-49、2008
2.疼痛緩和に関する事前約束指示 同上 128-131
3.死亡診断に関する事前約束指示 同上 222-226
J.Palliat. Care 23:


THP として大切にしていること

ベテル在宅療養支援センター 地域看護専門看護師 吉田 美由紀

THP として認定していただくにあたり、「私は、地域の人々が、質の高い医療・ケアが受けられるように、 安心と納得を大切にした在宅緩和ケアシステムの構築を目指していきます。また、患者・家族のみならずケアに携わる人々が、人として温かい関係を築きながら共に成長できるようなチームケアの実践に力を注ぎま す。」と宣言した。
在宅での看取りに関わる THP の活動は、患者と家族の納得と満足のある看取りを実現することに力を注ぐことであると考える。そのためには、患者と家族の希望を聞き取り、それを中心にチームメンバーが役割を果たさなければならない。また、関わるチームメンバー間の関係性や情報の流れも良好にしなければならない。チームがタイミングよく問題を解決できるように、それぞれのチームメンバーと良好な関係性を築きつつ、解決策をともに話合う機会を作ることも大きな役割のひとつである。在宅の現場では、医師とのコミュニケーションが問題にあがることも多いが、医師に事実を伝えて、起こっていることの意味を共有し、皆が納得のいく指示をもらえるように医師とも上手にコミュニケーションをとり、お互いに尊重し合える関係 性を作り上げていくことも重要な役割である。患者・家族の希望する関わりがチーム全体の行動化につなが るように、そしてチームメンバーそれぞれがチームの一員として満足した関わりができるように、押したり引いたりしながらチームをマネジメントしていくことは、THP の活動には欠かせない要素であると考えて いる。
質の高いケアは、質の高いチームでなければ提供できない。質の高いチームを支えるために、人と接するプロであることが、THP として求められる事である。これが、私のモットーである。

ニュースレター第144号

第143号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。
今回は研修会のご案内です。手違いでお知らせ がギリギリになってしまい、大変恐縮ですが、お時 間のある方は是非ご参加ください。少人数のグルー プワークとレクチャーの形で行う予定です。どうぞ よろしくお願い致します。


桜新町ターミナルケースカンファレンス

日 時:平成25年12月4日(水)
18:30~20:30(受付開始 18:00~)
場 所:桜新町アーバンクリニック在宅医療部
東京都世田谷区用賀 2-15-5 朝日生命用賀ビル 2 階
参加費:無料

※参加希望の方は事前に下記にご連絡ください

桜新町アーバンクリニック在宅医療部 北山様
TEL 03-5716-5220

ニュースレター第143号

第142号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。日本在宅ホスピス協会全国大会in浜松も過去最高のたくさ んの方に参加していただき、盛況に終わりました。大会長の小野先生、実行委員長の金子 先生はじめ、実行委員の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
毎年、この全国大会の時にHHA役員会議を開いておりますが、今回は今後多職種連携の キーパーソンとなる人材、トータルヘルスプランナー(THP)をHHAで認定していくとい う議案を出し、認められました。認定要件などについては今後、認定委員会を立ち上げて 十分話しあって決めていく予定ですが、THPの認定を通して在宅ホスピス緩和ケアの質の 向上に役立てればと思っております。皆様、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

今回のニュースレターは前回に引き続き、THP として小笠原内科で任命した方の THP 取得後の変化と THP のいる診療所のドクターからのお便りです。


THP 取得 1 年を振り返って

小笠原先生のもとにお伺いし THP についてご指導頂いたのは昨年の 9 月でした。
1 年を振り返ってみて、数字として、看取り率も看取り数も年々増えてきていますが、数 字云々や看取りに限らず、最も感じるのは本当に多様なケースが増えているという事です。 非癌のみとり、若い癌の方、認知症の方や取り巻く環境、また現代の医療の制度やあり方が 生活の上で問題を複雑化している事も有り、それぞれの背景、抱える問題や壁は本当に様々 であります。
そんな中訪問看護の実践の現場のみならず、役所、福祉 介護、地域医療機関等、連携、 相談等必要な調整、協働する事が増えてきています。情報共有、多職種相互の理解を深める 事が大切である事。言語化すると当たり前の事ですが、実際に、こういう事なんだ…と主役 の患者、家族を含め皆で実感する事や、チームの総和によって達成できることが少しずつ増 えてきました。患者さんを中心に、点の関わりではなく、滑らかな線でつながれて、つなが っていく…そんな地域のチームを感じると言えばよいのでしょうか。
様々なケース、日々を振り返ってみた時、この 1 年の変化に気づき、改めて小笠原内科医 院での活気あるチーム、取り組む姿勢を肌で感じ、THP という事を学ばせて頂いた事が私 自身に大きな刺激を与えてくれている事を感じました。少しずつでは有りますが、自分の活 動にも変化が出てきているのだと思います。さらなる高齢化社会 多死社会、医療の進歩、 今後も様々な方との御縁が有ると思います。地域包括ケアシステムの、チームの一員として 少しでも地域に貢献していきたいと思います。
そしてまだまだ未熟ではありますが、THP として役割が担えるよう、しっかり意識して 精進していきたいと思います。皆様どうぞよろしくお願い申しあげます。

長尾クリニック THP 岡本 法子

ニュースレター第142号

第141号ニュースレター

日本在宅ホスピス協会です。夏も本番。暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、いよいよ今年の全国大会まであと2カ月を切りました。浜松では坂の上ファミリークリニックを中心とした実行委員の方達が興味深い企画をたくさん用意してくださっています。現在のところ、まだまだ参加者が少ないようですので、初めての方もお久しぶりの方も毎回参加される方も、みなさん是非ご参加ください。在宅ホスピス緩和ケアについて本音でいろいろと語り合いましょう。

今回のニュースレターは在宅ホスピス緩和ケアで重要な多職種連携のキーパーソンとな る人材、トータルヘルスプランナー(THP)として小笠原内科で任命した 2 名の方の THP 取得後の変化についてのお便りです。


トータルヘルスプランナー(THP)取得半年後の変化

私が在宅ホスピスとちの木(以下:当院略)に就職した 2010 年 7 月当初は、看護師の 役割は鞄持ちと診療の補助などで、医師が患者の取り巻く環境の調整すべてを図っており ました。当院の理念である「患者中心の医療」を可能にするために緩和ケア訪問看護師の 役割とは何かを考え「チーム医療」「各職種が果たす役割」「マネジメント」などを所長に 提案しました。所長は「ホスピスマネジャ」という多職種連携の要ポストを新設し、初代 として私が任命されて活動後1年半の時点で THP に認定されました。緊張と不安でいっ ぱいでした。
THP 任命前の看取り率は 98%程度でした。現在は、常に THP を意識して活動している せいか、看取り率 100%となっています。自然体で結果が出ている感じです。THP として 役割を意識するだけでこんなにも変化があるとは正直考えてもいませんでした。
今後も、患者・家族のニーズの的を射り、取り巻く各職種の調整を図り、役割を存分に
発揮していただけるような環境の設定をしていきます。チームである各職種の質の向上。
当院スタッフの育成、自分自身の向上など、まだまだ自身の果たすべき役割は多岐にわた
ります。関わる全ての方々に感謝を忘れずに前進していきたいです。

一般財団法人 とちぎメディカルセンター
在宅ホスピス とちの木
ホスピスマネジャ THP 片見 明美


訪問看護師ではなく THP であること

わたしが小笠原先生の在宅ホスピス緩和ケアを見学させていただいたのは昨年の 4 月です。 小笠原先生の在宅緩和ケアのスキルを学びたくて、そして THP の役割、THP チームを構 築するための秘訣をご教授いただきたくてワクワクしながら訪問いたしました。小笠原先 生はじめ田實先生、THP 木村さんの診療・看護の姿勢、力強さ、強い信頼関係と安心感を 目の当たりにし、非常に刺激的だったことをよく覚えています。
東京都世田谷区というコミュニティが壊れた都会のなかで、いかに地域連携を構築し多 職種協働と医療介護福祉との融合を実現させるかは今でも大きな課題です。そんななかで THP としての役割をどのように果たしていくのか、正直迷っておりました。
医療と介護の橋渡しをする訪問看護を越えた THP としての役割とは何か。 わたしはまだまだ経験が浅いですが少しずつでも小さな輪をたくさん作り、輪を重ねて大 きくしていくことを意識しました。とにかく ICT をつかって情報を共有し合い、たくさん の方にお会いし、治療方針や病状を噛み砕いて説明し、そして介護指導や福祉サービの提 案等を広く実践していきました。小笠原先生のご推薦を受けて雑誌クロワッサンにご紹介 いただき、さまざま雑誌やテレビ取材を受けるほどになり、おかげさまでわたしたちが診 療・看護しているエリアでは多職種協働地域連携が構築され出しました。
そんな地道に THP として活動するなかで厚生労働省が打ち出した認知症施策推進 5 カ 年計画(オレンジプラン)の研究事業に参加し、認知症初期集中支援を世田谷区全体で展 開することとなりました。その内容が7月3日 NHK教育テレビ ハートネットTV シリ ーズ認知症 第 3 回「検証・オレンジプラン ~在宅支援の最前線~」でも紹介されていま す。認知症もがん緩和も在宅医療においては必須の命題であり今後の高齢者人口の増大に 伴い、THP の活躍が益々重要になると考えております。
地域包括ケアシステム構築の一端を担う THP。ただの訪問看護師ではなく THP である ことの誇りをもって地道に自己研鑽していきます。そしてもっと地域に THP を増やして いくことが今後在宅医療において極めて重要であるため、仲間を増やしていきたいと考え ています。
みなさま、どうぞご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

桜新町アーバンクリニック
THP 片山智栄

ニュースレター第141号

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