日本在宅ホスピス協会

第110号ニュースレター

昨年の全国大会・神戸で、宮崎から参加していた長内さゆりさんと「訪問看護ステーション連絡協議会の講師に宮崎に来てください」と鈴木信行先生にお願いした。
10月末に実現し、講演が終わって「かあさんの家」にご案内した。小春日和の縁側で、入居者の方とすっかり馴染んでくださった。

そして、今度は私がお返しに福島に伺い、「かあさんの家」の実践をお話しすることになった。
福島行きが岩手に伝わり、それではついでに盛岡でもと、斎藤恵子先生の処でもお話をさせていただく機会を得た。

1月の東北行きは、南国育ちの私にとって、とても楽しみだった。ところが今年は暖冬で、福島は宮崎と同じ青い空だった。それでも新幹線で盛岡に入ったとたん雪景色が飛び込んできた。
福島でも盛岡でも、久しぶりの親戚に会うみたいに、私の話を暖かく受け止めてくださった。

10年前、宮崎えびの高原で開かれた第1回全国大会からのご縁が醸成され、
人と人とがつながって、その果実を堪能したような旅となった。

在宅ホスピス協会会員 市原美穂(特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎 理事長)

第109号ニュースレター

新年おめでとうございます。

在宅ホスピスケアをどのように担っていくか、それぞれの試みが問われる時代がきたように思います。

昨年度の診療報酬、介護報酬改定の中で出現した在宅療養支援診療所、療養通所介護、2号被保険者の要介護認定対象疾病の増枠(末期がん患者も対象となった)は、行政がここまで制度を整えましたよという、我々に対するエールのように思います。さらに、麻薬管理マニュアルの改訂は麻薬使用の大幅な規制緩和であり、特に我々在宅ホスピスケアに携わる者にとっては大きな福音といえるでしょう。

一方、制度は急速に整えられてきたにもかかわらず、相変わらず在宅ホスピスケアの普及は十分でないし、担うもののマンパワーの不足も否めません。また地域ケアという観点から在宅ホスピスケアを見た場合、それぞれのサービスが統合されていないきらいがあり、さらには地域に開かれたサービスを十分提供していないのでは、という指摘もあります。

まだまだ多くの課題を抱えた私たちの働きですが、地域の力を結集することが求められています。その目的達成に欠かせないこと、その一つがボランティアの存在です。私たちの働きに力と潤いを与え、ケアの幅を広げ、地域をも変えていく存在、それがボランティアです。一年間、この問題を在宅ホスピス協会は真正面から取り組みたいと考えています。

私事で恐縮ですが、家内(=会長、川越博美)の病状も寛解状態で落ち着いています。紙面をお借りして御報告申し上げます。

在宅ホスピス協会顧問 川越 厚(ホームケアクリニック川越 院長 ・ グループパリアン・代表

第108号ニュースレター

去る10月に青森県で開かれたリハビリテーション関係の各種研究会の合同研究大会に招かれ、「ケアする心とケアされる心」という講演をしました。その中で、末期がんの患者さんでもリハビリのケアが大きな意味を持つことがあると、事例を紹介して話しました。

それは『作業療法』04年8月号で知り感銘を受けた事例でした。

関西地方のある市で、50代の美容師Aさんが腹膜にまでがんが転移した身で在宅療養していました。Aさんは立ち上がることもできませんでしたが、医師はAさんの「仕事復帰」の希望を持続させてあげようと、作業療法士を派遣。リハビリ訓練によって、3週目にひとりで洗面、トイレに行けるようになり、5週目には作業療法士に対し、「あんたらもきれいにしとかな」と言って、顔剃りをしてやるほどになったのです。嫁さんたちは、「すごいなあ、やっぱりお母さんやなあ」とほめてはしゃぎました。

Aさんはその後、再び立てなくなり旅立ちましたが、後に作業療法士はAさんが剃刀やハサミを使えた時間を「希望の時間」という言葉でとらえました。

リハビリは生活機能のQOL向上以上のものをもたらすのですね。人が生き抜くのを支えるものは何か、示唆に富むエピソードだと思います。

在宅ホスピス協会顧問 柳田邦男(作家)

第107号ニュースレター

第9回全国大会(神戸)が、無事に終わり、“ホッ”としております。今年は、スタッフとして参加させていただき、目まぐるしく時間が過ぎていったという感じでしたが、充実感と達成感で満足しております。港町神戸の地に、全国から多くの方々が参加して下さったことに神戸スタッフみんな感謝しております。ありがとうございます。

今回は『患者・家族の希望をかなえる在宅ホスピスケア-なぜ家なのか-』をテーマに熱く語り合いました。「なぜ家なのか?」それは、患者さんにとって、家族にとって…、そしてケアに携わる者にとって…「意味がある」から“やっぱり家がいい!”と改めて思いました。

先日、受け持ちの患者さんが、家族に見守られながら安らかに在宅死されました。状態が悪化した時に家族は、病院か?在宅か?と迷われましたが、患者さんの意思を尊重され、医師から余命2ヶ月と宣告されてから、半年近く家で最期の時を過ごすことができました。家族と一緒にエンゼルケアをさせていただいているときに、家族から“やっぱり最期は家がいいですね。昔はこれが普通だったのにね!”と言われました。本当にそうだと思います。

私は、毎年この大会で癒され、そして新たにパワーをいただきます。今後も多くの方に希望をかなえることができる在宅ホスピスケアを伝えていきたいと思います。

在宅ホスピス協会会員 砂嶽恵子 (いなみ訪問看護ステーション

第106号ニュースレター

今年もまた暑い季節がやってきました。エアコンの中で過ごしていた病院勤務の時と違い、訪問診療では四季の変化が体全体で感じられます。夏バテしないようにと毎年対策を立てて、患者さんのところを訪問します。やはり一番のバテ解消は一人一人の患者さんの笑顔だなということを感じます。

そしてもう一つの夏バテ解消は、夏の在宅ホスピス協会の全国大会です。実は、最初はどのような大会かあまりわからず参加しました。けれども、そこで全国から集まった方々とお会いし、元気をいただくと共に、様々な事を教えていただきました。そして大会に参加する度に、自分自身が少し成長できたなと感じることができました。

そんな自分が今年の大会会長に指名されました。そこで今年の大会はたくさんの元気の源を準備しました。神戸は大変おもしろい街です。中心街から車で1時間以内に温泉(有馬温泉)、和(酒蔵)洋(異人館)中(中華街)の町並みがあり、山(六甲山の夜景)や海もあります。神戸のおもしろさを全て味わって頂き、そして皆様と「なぜ家なのか」をおおいに語り合いたいと思います。

関西では元を取る事(つまり損をしない事)を大事にしております。全国から来て頂く皆さんに、元を取って頂ける大会にしようと、実行委員会の仲間達と盛り上がっています。それでは皆様、8月に神戸でお目にかかりましょう。

「皆、神戸に来てや!」

在宅ホスピス協会会員 第9回全国大会(神戸)大会長 白山宏人 (大阪北ホームケアクリニック

第105号ニュースレター

「ご自宅で医療を受けるのもひとつの選択です」 最近、在宅ホスピス協会が作成したポスターです。私はこれを見て斬新だ!今更なのですが新鮮な気持ちになりました。このポスターを、抗癌剤治療で定期的に入院している友達に見せたら「ェ!抗癌剤治療を家で受けられるの?」 在宅ホスピス協会の文字で早とちりに気がつきました。友達は、「自分も今の治療が効かない時のことを考える。でもホスピスと聞くと死がリアルになるわね」「家でホスピスができるのはいいわね。どこまでできるの?何処でもやっているの?」と、イメージできないことへの不安を聞いてきました。

今の世の中生まれるのも病院、亡くなるのも病院と当たり前のように思われています。なぜ病院なのでしょう? 医学の発達、長寿化、専門家への信頼、家族の不安、生と死を身近なものにしなくなった生活環境などなど多くが考えられます。

自分の人生はどんなふうに終わるのだろうと、死について考えることは、早いということはありません。癌になったら?もちろん在宅は病院と同じとは行きません。それぞれいい面と無理な面があります。その違いを理解して選べるようになると、この言葉もまた違う感覚で受け止められると思います。

在宅ホスピス協会会員 権平くみ子 (訪問看護パリアン 看護師)

第104号ニュースレター

皆さん、はじめまして。

岩手県北上市の在宅ホスピスケアについて紹介します。
私たちの町の取り組みのポイントは行政、市民、医療の連携です。北上市役所は、がん患者さんのご家族から頂いた寄付をきっかけに基金を創設し、平成6年に緩和ケア事業を開始しました。その後、事業の改良を重ね、現在では介護保険対象外の患者さんに在宅療養費用の助成を行っています。

市民のホスピスケアへの関心も高く、患者会、家族会を中心に講演会の開催や、緩和ケアの充実を望む署名活動など様々な取り組みを行っています。医療・介護側も、診療所、病院、訪問看護ステーション、介護支援センターが連携して在宅のがん患者さんのサポートに取り組んでおり、平成7年には4%だった北上地区のがん患者さんの在宅死率は、平成15年には20%を超えるようになりました。

これからも地域のネットワークを大事にしながら、「誰でもどこでもホスピスケア」をめざして地道に活動を続けていきたいと思います。

在宅ホスピス協会会員 星野 彰 (岩手県立北上病院

第103号ニュースレター

今回は厚生労働科学研究の「在宅療養者の看取りにおける訪問看護師と医師との連携に関する研究(班長・川越)」を紹介します。

この研究は「新たな看護のあり方に関する検討会」報告(平成15年3月24日、医政局看護課)を受けて、「在宅医療における医師と訪問看護師との連携」のあり方を探るものです。
在宅療養患者のQOL向上を図るため、必要なケアを訪問看護師が迅速かつ適切に提供するためには、医師と訪問看護師の十分な連携と信頼関係の下で、訪問看護師が適切な観察と看護判断を行い、患者に対して適切な看護を行うことが望ましいわけです。
しかし実際には、連携に関する一定の指針がなく、在宅終末期医療における看護の実践に支障になることが少なくないのが現状ですね。

このような問題を解決するための研究で、最終的にはガイドライン作成を目指しています。
実態調査などで皆様のご協力がぜひ必要です。その節はよろしくお願いします。

在宅ホスピス協会顧問 川越 厚(ホームケアクリニック川越 院長 ・ グループパリアン・代表

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