日本在宅ホスピス協会

第133号ニュースレター

地域に根ざした在宅緩和ケアを

愛媛県にもがん対策推進委員会がありますが、その中に在宅緩和ケア推進協議会なるものが立ち上がりました。そのメンバーに入れていただくことができ、県の後押しもあり、今年度から3年計画で、在宅緩和ケアの普及に関するモデル事業が立ち上がることになりました。
数年前には見向きもされなかった在宅緩和ケアシステム構築に関する提案も、今ではお金をつけてくれるほどになり、行政の力って本当にすごいなと実感します。
愛媛県は、東予・中予・南予と分かれており、それぞれの地域が抱えている課題には違いがあります。例えば、医療資源は中予の松山市に集中しており、山間の南予には在宅資源自体が少なく、医療機関や事業所を選べる程の数がありません。東予は、入院ベットをもつ医療機関が多く、在宅の発展がやや遅れています。小さな愛媛県の中でも地域格差はあり、一概に在宅緩和ケアを広めようと言っても、じゃあどうするのかと問われると得策が出てこなかった現状があります。
今回、モデル事業として行おうとしているのは、大きな課題を抱える東予や南予に焦点をあて、そこにある地域資源を最大限活用して在宅緩和ケアチームを立ち上げていこうという試みです。行政から振ってくるお金は、使い道が限られていて、本当に必要なところにお金が降ってこないのですが、このモデル事業では、その地域の状況に応じて教育的、金銭的なサポートをし、モデル事業が終了した後も、その活動が地域に根ざして継続していくことを目的としているのが特徴です。実際、地域でがんばっている医療機関や開業医の先生方が手を上げてくれており、在宅緩和ケアに取り組みたいと思っておられる医師の存在も見え始めてきました。もちろん育成する在宅緩和ケアチームには訪問看護やコーディネーターも必要ですし、患者・家族の安心のためのバックベットも必要ですので、それら全体を地域の実情に合った形で育成しシステムを構築していこうと考えています。

「その地域に住んで頑張っている人たちの声から作り上げた、その地域特有の在宅緩和ケアシステムの構築に向けて行政が支援する」というとても夢のある企画に、プレッシャーを感じつつも期待を込めて力を尽くしているところです。実際にうまくいくかどうかはこれからの動き次第ですが、「理想に向かうことは大切!!これからは、現場主導だ!」と思う今日この頃です。

ベテル在宅療養支援センター 所長 吉田美由紀


御挨拶

皆様、第14回日本在宅ホスピス協会全国大会in 飯塚に、多数ご参加いただきまして誠にありがとうございました。
大会会場の嘉穂劇場では皆様の熱気に満ちた言葉が飛び交い、とてもにぎわいました。枡席ならではの在宅ホスピス井戸端会議は、時間が足りないくらいの盛り上がりでした。ウェルカムパーティーでは二ノ坂保喜先生のオカリナ演奏、懇親会では石井のり子さんのハンドベル演奏で、会場を盛り上げていただきました。交流会でも夜遅く、終了時間ギリギリまで熱い語りあいが続きました。最終日のグループワーク報告会では、さすがと思われる意見が多く出されていました。夕張希望の杜の村上智彦先生の市民公開講座では、ユーモアあふれる御講演に笑い声が絶えず、その一方で心に染み入るようなメッセージを多数頂きました。
大会にご参加いただいた皆様が、なにか一つでも良かったと思っていただければ幸いです。ここで新たに生まれたネットワークが、少しずつでも確実に育っていくことを願っています。
準備の初期段階から、多くの方に支えていただき無事に閉会することができました。
この場をお借りして、小笠原文雄会長、川越厚顧問他、協力者の皆様に心から感謝いたします。
今回の大会は、当地飯塚をはじめとしてこの筑豊地区に、多くの在宅ホスピスの心が育つ大きなきっかけになったと、地元の方々からもお言葉を頂きました。
皆様、本当にありがとうございました。

第14回日本在宅ホスピス協会全国大会in飯塚
大会長 飯塚病院 緩和ケア科 牧野毅彦

第132号ニュースレター

さて、前回のニュースレターで多方面、全国各地から35名の新役員の方々を紹介させていただきましたが、今回さらに新しく役員になっていただいた方が4名いらっしゃいますので紹介します。
顧問  :         東京大学       清水哲郎 (東京都)
世話人 : <医師>    青森慈恵会病院    小枝淳一 (青森県)
      <薬剤師>   十和田市立中央病院  小笠原恵子(青森県)
      <作業療法士> 千葉県立保健医療大学 安部能成 (千葉県)

さらに全国各地、多職種になりました。今後ともよろしくお願い致します。

皆さま、こんにちは。昨年の岐阜での全国大会からもう1年たってしまいました。3月には、未曾有の大震災があり、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

その震災にも関連してくる事ですが、今私たちは、小笠原内科から少し距離のある場所での在宅緩和ケアに取り組んでいます。距離にして10㎞から30㎞、所要時間は30分から1時間程度かかるところで、地元のDr.、訪問看護ステーションやケアマネジャーと連携する事によって、今まで在宅での看取りを希望していても在宅医や訪問看護ステーションが見つからず病院で亡くなっていた人たちが、住み慣れた我が家で、安心して過ごせるようになっています。今まで在宅緩和ケアの経験が浅かったDr.、訪問看護師も緩和の方法、過程、家族ケアなどを共に、実践していくことで成功体験を得、自信がつき、次の機会からはためらわずに在宅緩和ケアに取り組んでいらっしゃいます。実際に、連携したチームはその後在宅看取り率が20%上がったようです。

訪問看護ステーション同士では、顔の見える関係以上に親密になり、ステーション相互の質の向上ができました。このケアシステムを岐阜県の看護協会や日本訪問看護振興財団から助成を受けて、報告書としてまとめることができました。

この遠隔診療では、報告だけでは連携が取りにくい部分を、主治医がテレビ電話で患者・家族・連携医・訪問看護師と顔を見て話をすることによって、直ちに状況に沿った指示が直接できるので患者、家族の方から安心だと大変好評を得ております。震災などの際、このシステムが在宅医療で有効に利用できないかどうか、今、総務省、厚生労働省や遠隔医療学会と一緒に検討をしていますので、それはまた後日、皆様にお知らせしたいと思います。

それでは、全国大会でお会いしましょう。

日本在宅ホスピス協会 世話人 木村久美子(小笠原訪問看護ステーション 管理者)

第131号ニュースレター

さて、4月に新会長、新事務局についてご案内をしましたが、顧問、事務局長、世話人としても新しい方々をお迎えしていますのでご報告したいと思います。世話人は多方面、全国各地から35名いらっしゃいます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

顧問   柳田邦夫、川越厚、上野千鶴子、川越博美

会長   小笠原文雄

事務局長 岩佐医院            岩佐充矩  (岐阜県)

世話人  <医師>

野村内科クリニック            野村良彦  (神奈川県)

ひとみタウンケアクリニック        大池ひとみ (東京都)
穂波の郷クリニック            三浦正悦  (宮城県
立川在宅ケアクリニック          井尾和雄  (東京都
ひばりクリニック             森井正智  (奈良県)
高木医院                 高木寛治  (岐阜県)
船戸クリニック              船戸崇史  (岐阜県)
ファミリークリニックネリア        徳田英弘  (鹿児島県)
徳島往診クリニック            吉田大介  (徳島県)
ふくしま在宅緩和ケアクリニック      鈴木雅夫  (福島県)
新宿ヒロクリニック            英裕雄   (東京都)
国立長寿医療研究センター         西川満則  (愛知県)
自治医科大学               田實武弥  (栃木県)
ふじもと在宅緩和ケアクリニック      藤本肇   (埼玉県)
坂の上ファミリークリニック        小野宏志  (静岡県)
みどり病院                清水政克  (兵庫県)
オレンジホームケアクリニック       紅谷浩之  (福井県)
いしが在宅ケアクリニック         石賀丈士  (三重県)

<薬剤師>
メディカルグリーン            大沢光司  (栃木県)
薬局つばめファーマシー          萩田均司  (宮崎県)

<看護師>
フリーランス               横田喜久恵 (東京都)
すみれ訪問看護ステーション        森田貞子  (愛知県)
岐阜県看護協会訪問看護ステーション    野崎加世子 (岐阜県)
訪問看護ステーション絆          玉谷弘美  (岡山県)
小笠原訪問看護ステーション        木村久美子 (岐阜県)
緩和ケア訪問看護ステーション架け橋    濱戸真都里 (京都府)
訪問看護ステーションあたご        安岡しずか (高知県)
北須磨訪問看護・リハビリセンター     藤田愛   (兵庫県)
ベテル在宅療養支援センター        吉田美由紀 (愛媛県)
松口循環器科内科医院           廣門優子  (福岡県)
訪問看護パリアン             賢見卓也  (東京都)

<他>
緩和ケア支援センターはるか        大石春美  (宮城県)
在宅障害福祉サービス「りべるたす」    伊藤佳世子 (千葉県)
千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア   藤田敦子  (千葉県)
ホスピス研究会OKAZAKI       金田亜可根 (愛知県)

以上の方々です。継続して務めていただける方、新しく世話人になっていただいた方といらっしゃいますが、日本中に在宅ホスピスケアを広める為、協働していきたいと思います。今後も年1回の全国大会、年数回のセミナー(全国各地で開催予定です)、ニュースレター、くとうてんの発行など、予定しております。今年度、第1回のセミナーは岐阜市で5月29日に行わせていただきました。くとうてんとして近々お届けできると思います。次回は9月3日に観光地としても有名な岐阜県高山市で在宅フォーラムを行います。日頃の疲れを癒す療養も兼ねて是非ご参加ください。

東京では年内開催(?)調整中です。

また、今年の全国大会を行う飯塚病院より“日本在宅ホスピス協会全国大会 飯塚だより”をいただきました。開催要項と申込書も届いています。大変楽しみな内容になっています。是非皆さん、日頃同じ目標に向かっている者同士“よく学び、よく遊ぶ”為に飯塚市まで足を運んでください。

最後に会長より…

最近、大変興味深い論文に出会いました。

日本外来精神医療学会誌 2011 Vol.11/No.02 39-45に掲載されている『がん患者および家族への社会的支援』という7ページに及ぶ論文です。心に寄り添う緩和ケアと、人生(生活)の質を高めるために活動する緩和ケアコーディネーターの役割とその実践報告の論文です。心温まる内容になっています。実はHHAの世話人である三浦正悦先生、大石春美さんの書かれた論文です。

みなさん、是非ご覧になってください。

第130号ニュースレター

会長就任の御挨拶

陽春の候、皆様におかれましてはご活躍のこととお喜び申し上げます。

この度の未曾有の震災では被災された方々にお見舞いを申し上げます。一日も早く元の生活に戻れますよう心よりお祈りいたします。

この度、川越厚先生、博美先生の後を受け、日本在宅ホスピス協会会長に就任いたしました。

「ホスピスケアは在宅でこそ理想の形が成就できる。本物の在宅ホスピスケアを日本に誕生させ、それを普及させ、そして、それを担う医療者をぜひ育てたい」という目的で始められた会です。全国各地にまかれたホスピスマインドの種は次々に芽を出し、花も咲き始めたところもたくさんあります。先生方、パリアンのスタッフ、事務局、役員の方々、13年間本当にお疲れ様でした。これから先生方の思いをしっかりと受け継ぎながら、時代に即したホスピスマインドを日本の真ん中『岐阜』より、全国に発信していきたいと思います。

昨年の全国大会でも話した通り、私のモットーは、「癒しを提供するものは自ら癒されなければならない」なので、癒しを得るための7か条を、患者、家族、関わるスタッフにも実践をしてもらっています。

もちろん、苦痛があってはいけません。疼痛ケアが大切です。医療者ができること、介護者ができることそれぞれが尊重し合い、ケアを受ける側、ケアを提供する側がともにケアを作り出していける在宅ホスピスケアを今後も広めていくよう微力ではありますが努力してまいりたいと存じます。

簡単ではございますが、書中をもちまして、ご挨拶申し上げます。

日本在宅ホスピス協会 会長 小笠原文雄(医療法人聖徳会 小笠原内科 院長)

第129号ニュースレター

『看護師の労務改善について』

24時間対応が必須 の在宅ホスピスケアは、医療者、特に看護師へ大きな負担を強いる。
パリアンでは創立当初の短期間を除いて、ファーストコール、セカンドコールをナースが担当してきた。医師はともかくとして、看護師の労働負担は大きく、その改善はパリアン創立当初から大きな課題であった。

当初、看護師は 通常の勤務を行いながら、1週間の24時間緊急当番!を担った。3年前に当番の翌週の火曜日を休みにし、さらに2年前より緊急当番を月火、水木、金~日に分け、当番明けの日は早めに退社できるようにした。金~日を担当した看護師は以前と同じく、火曜日を休みとした。加えて一日あたりの当番手当をアップし、夜間の訪問手当、死後のケア手当を新設した。処遇改善の効あってか、今年度の看護師の離職は既定の看護師1名のみであった。

高品質のケアを届けるためには看護師の処遇改善は不可避であり、パリアンのような濃厚な24時間ケアを行う訪問看護に対しては、診療報酬上の特別な配慮が必要だと考えている。

在宅ホスピス協会顧問 川越 厚(医療法人社団パリアン クリニック川越 院長)

第128号ニュースレター

『第13回在宅ホスピス協会全国大会イン岐阜を終えて』

10月8日~10日には皆さま岐阜までお越し下さり誠にありがとうございました。お陰さまで盛大で実りの多い大会になりましたこと感謝申し上げます。

平成22年1月から毎月1回、9月から2週に1回の土曜日午後に実行委員会を開催してきました。委員には地域の在宅医、訪問看護ステーション、がん拠点病院の医師、退院調整室の看護師、NPOなど51名の方になっていただき遠方から手弁当での参加やメールで意見交換しました。

大会のテーマ「独居でも大丈夫なの!?」のニュアンスのとおり、委員の中でも「大丈夫!」派と「?」派がいて、分科会をどのように構成するかを検討する途中で色んな考えや経験談が出ました。岐阜県内の在宅ホスピスケアに携わる熱い想いを持った方や、未だ在宅現場の様子がつかめないという拠点病院の医師も一堂に会し、新鮮な感じかつ温かさを感じながら非常に勉強になりました。この感覚は、分科会の最中も翌日の分科会報告のまとめを検討する中でもあって、多職種の実行委員の一体感・満足感につながりました。 今大会を機に岐阜県の在宅ホスピスケアがさらに発展すると確信しました。

懇親会では郡上踊り(お盆の徹夜踊りで有名)を、保存会による本物の唄とお囃子に乗って、会場いっぱいに老いも若きも、偉い先生もそうでない人も一緒に踊り、連帯感に浸ることができました。 3日目の市民公開シンポジウムは市民も約500名参加し大盛況でした。

最後に川越厚先生から創会当時を思い出す手作りの会とお褒めの言葉をいただきましたが、その大半は木村久美子さん、五島早苗さん、堀江八千代さんをはじめ小笠原内科スタッフの皆さんのご尽力のお陰です。患者さんや施設の方が心をこめて作って下さったお土産をスタッフが一つ一つ包んだり、プログラムを手作りで製本したり、毎晩勤務終了後大変にご苦労をおかけしました。この場を借りて御礼申し上げます。

分科会、市民公開講座、懇親会、オプショナルツアーと医師の学会総会と同じ内容を、手作りで行うのは非常に困難なことです。今後この分野は類似の研究会が増え、参加人数も増えると予想されます。時代とともに少しずつ大会の雰囲気も変わるでしょうが、我々実行委員が今回感じた何か温かい連帯感は大事にしたいと思います。

在宅ホスピス協会会員・第13回全国大会(岐阜)実行委員長 高木寛治(高木医院 院長)

第127号ニュースレター

『ようこそ  信長ゆかりの町  岐阜へ』

皆さん、やっとかめの再会ですね。

昨年、富山、高岡での大会で、在宅ホスピスケアについての熱い思いを語りあってから約一年がたちました。今年の日本在宅ホスピス協会全国大会は、日本のど真ん中岐阜で開催です。

現在、少子高齢化、核家族化により、独居の方が増えています。ここ岐阜の地でも例外ではなく、独居、老老、認認世帯が増加し続けています。小笠原内科では、家族の介護が期待できない、生活保護だったり、いわゆる在宅では困難例としてあげられる、独居の看取りを経験していくうちに看取りまでのシステムを確立しました。

そこで、今年度、大会のテーマを

「地域で支える在宅ホスピスケア ~独居でも大丈夫なの!?~」

とし、皆様とともに、独居でのさまざまなパターンの穏やかな看取りについて勉強してまいりたいと思います。
分科会では皆様より独居の症例を募集し、その症例について検討したいと思いますので、大会事務局までご連絡頂ければ幸いです(詳細は全国大会のページをご覧ください)。
また、最終日には、

『在宅ホスピスケアで朗らかに生きよう~おひとりさまでも安心!?~』

と題し、上野千鶴子氏、濱口道成氏、柳田邦男氏をお招きし、市民公開シンポジウムを企画しました。この魅力的なコラボにご期待下さい(詳細はこちらです)。

会場となるのは、『日本の温泉百選』にも選ばれ金運が上昇するといわれる長良川温泉、ウエルカムパーティーは、1300年まえの幽玄の世界へといざなう「鵜飼」、懇親会では徹夜踊りで有名な郡上踊りの体験、小旅行では金華山登山、国宝犬山城見学など皆様が楽しんでいただける企画を用意いたしております。

清流のせせらぎとたちこめる湯気に心癒しほぐされる岐阜の地で皆様を心からお待ち申しあげております。

在宅ホスピス協会会員・第13回全国大会(岐阜)大会長 小笠原文雄(小笠原内科 院長)

第126号ニュースレター

『在宅ホスピスチームがギアチェンジをサポートする』

つい数年前までは、在宅での看取りを覚悟して病院から退院する方の相談が殆どでした。
最近は、外来に通院している方からの相談が多くなりました。外来化学療法が普及し、通院できるぎりぎりまで化学療法を受ける患者が増えていることが背景にあるのでしょう。

外来化学療法を受けていたり、治療病院に通院している患者・家族に関るようになって、私たちは患者・家族と治療をあきらめる過程を共にし、抗がん治療をいつ止め、最期までの時間をどこでどのように過ごすかという意思決定をサポートすることが増えてきました。そのような日常から思うのは、やっぱり患者・家族ともに死を覚悟する時期があり、死を見据えた生の時間があるということ。

患者や家族が死と向き合いながら納得した人生を全うできるように、私たちは、ホスピスケアの理念を揺るぎなく持つことがいかに大切か、心に刻む今日このごろです。

在宅ホスピス協会会員 吉田美由紀(ベテル在宅療養支援センター 地域看護専門看護師)

第125号ニュースレター

新年おめでとうございます。

また新しい年を迎えました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
在宅ホスピスケアの取り組みが全国各地でいろいろな形で展開されていて、在宅ホスピスケアの拡がりを肌で感じる時代になりました。それでもまだ“これだ”というはっきりした形にならないのは、なぜでしょう。

WHOの緩和ケアの定義によって、緩和ケアが変化してきました。「ギアチャンジは必要ない」「最期まで治療と緩和ケアが並行して提供されるものだ」と言われ、がんと闘っている人々が多くいます。そのことは喜ばしいことですが、それでもがんで亡くなる人は減りません。
死について考えることなく最期を迎えなければならない人も増えています。 納得いく生を貫くためには、自分の死について見つめ、それを支える人々がいることがどんなに大切か、実践していらっしゃる皆さまには釈迦に説法だと思います。人にはできないこともあるとういう現実、死ななければならないということを知ることも必要なこと。
デーケン先生はよく「希望への祈り」を紹介され、死を見つめながらも希望をもって生き抜く生き方を、ユーモアを交えて教えて下さいます。私自身ががんになって死と直面してみて、本当にそうだと身にしみて感じています。

今年もまた、死を見つめながら精いっぱい生き抜く人々を、力をつくし心をこめて、支えていきたいと願っております。

神よ、私に変えられないことは、そのまま受け入れる平静さと、
変えられることはすぐにそれを行う勇気と、
そしてそれらを見分けるための知恵を与えてください。

 在宅ホスピス協会は小さな力ですが、在宅ホスピスケアが新たな発展をするために、今年は次のことを支援していきたいと考えております。

①在宅ホスピスケアを提供している機関を、ホスピス緩和ケア支援診療所、ホスピス緩和ケア訪問看護ステーションとしての全国ネットワークづくり
②地域の市民と力を合わせて、ひとり暮らしでも介護力がない人でも、地域で最期のときを過ごせるような緩和ケアグループホーム開設

秋には岐阜の全国大会(大会会長:小笠原文雄先生)で、実践を分かち合い、熱い議論が交わせますように願っております。
それぞれの場での皆さまのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

在宅ホスピス協会会長 川越博美

第124号ニュースレター

『第12回 在宅ホスピス協会全国大会 in 高岡を終えて』

9月の下旬、25日のウエルカムパーティーから始まり、26日・27日と3日間にわたり、富山県は高岡市において在宅ホスピス協会の全国大会が行われました。幸い、天候は汗ばむくらいの秋晴れに恵まれて、2日目の午前中の高岡での小旅行も楽しんでいただけたようです。

今回のメインテーマは「病院から在宅へ」~在宅ホスピスケアの普及のために~として、病院からシームレスに在宅へお送りするための障害やKnow Howを話し合いました。
2日目の分科会では、Ⅰ:病院からみた連携のあり方、Ⅱ:地域・在宅から見た連携のあり方;介護支援専門員の立場から、Ⅲ:ご家族・ご遺族からみた連携のあり方、として各分科会にて真剣に富山県の立場から、また全国で推進している立場から意見交換をいたしました。特に、分科会Ⅲでは、ご遺族の皆様から実体験をもとに多くの意見をいただき、医療者の気付かないところもご指摘をいただきました。
懇親会では、富山県の代表的な民謡である、越中おわら節を胡弓の音に合わせて会場全体で踊りを体験いたしました。またゲームでは、偉い先生も皆、お顔に洗濯ばさみをつけられるなど、年齢や立場を越えて楽しんでいただきました。
3日目は、市民公開シンポジウムとして、『在宅ホスピスケア普及のために:~富山県の現状を踏まえて~』と題して、厚生労働省からの間先生を始め、富山県の各医療圏で在宅医療や医療行政に携わる各職種の皆様にご参集いただきました。約130名の参加者のもと、熱のこもった議論となり、富山県において、また全国的な在宅ホスピスケアにおいても、また一つの起爆剤となったことと思います。

今回の大会を通して、在宅ホスピスケアはこれからも決して容易に普及できるものではない分野ではありますが、真剣に取り組む富山県の医療者、そして全国の皆様によって確実に種が実を結んで行くものと確信いたしました。

来年は、岐阜です。小笠原先生へしっかりバトンをお渡ししました。 どうかこの1年、協会の皆様にとって、また在宅ホスピスケアの患者様にとっても有意義な1年でありますように、岐阜での報告を今から期待しております。 最後に、不慣れな大会運営となり、多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことと存じます。この場をおかりして、お詫びと御礼を申し上げます。

在宅ホスピス協会会員・第12回全国大会(高岡)大会長 村上 望(富山県済生会高岡病院 緩和ケア委員長)

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