ニュースレター

第115号ニュースレター

新年おめでとうございます。

年のはじめに、11年間、絶えることなく会員の皆様がつなぎ、情報を提供してきて下さったニュースレターで、ご挨拶ができることを心から感謝申しあげます。

今年は、在宅ホスピスケアにとって新しい年明けになるような気がしております。がん対策基本法ができ、自宅へ帰ってくるがん患者さんが激増していることを、現場で肌で感じています。在宅ホスピス協会が発足した当初、「在宅ホスピスケア」という言葉すら珍しい時代でしたが。今は「在宅ホスピス・緩和ケア」としてすっかり市民権を得たように思います。でもそのケアの実態は、私たちが目指したものになっているでしょうか。

私は大病をしたおかげで、今、全国の訪問看護の現場を歩く仕事をさせていただいています(レポートは医学書院「訪問看護と介護」に連載しています)。多くの支援診療所の医師や訪問看護ステーションの看護師と語り、訪問現場に同行させていただいています。熱意ある現場の人々と共に語ることはとても刺激になります。学ぶこともたくさんあります。在宅にはがん患者さんがたくさんいます。でも本当にこのケアで在宅で最期のときを幸せに過ごせるのだろうかと疑問に思うこともあります。痛みの緩和の方法、チームの組み方、家族への支援などなど、全国的にみれば、驚くことがまだまだいっぱいです。

在宅ホスピス協会は、家で最期のときを過ごしたいと望む人々へ、本物の在宅ホスピスケアを提供するために役割があるのだと感じています。

在宅緩和ケア支援センターが都道府県に税金で整備されるようになりました。コンサルテーションと教育が主な仕事のように聞いています。緩和ケアは地域の時代と銘打って在宅ホスピスケアに関する講演会のお知らせもたびたび目にします。でも今大切なのは、地域でがん患者さんや家族と真剣に向きあう現場で働く人々が増えることだと思います。

「偽」が昨年をあらわす漢字に選ばれました。今年は、「本物の在宅ホスピスケア」を目指したいと思っています。在宅ホスピス協会が作成した在宅ホスピスケアの基準をもう一度心にとめて下さい(ホームページに掲載されています)。決して陳腐になっていません。さすが、遺族の方や一般市民、多くの専門職が、現場の知恵を結集して作成したものだと改めて誇りに思います。本物の在宅ホスピスケアができる人々を現場で育て、市民と専門職が一緒になって、家で死ぬことが可能な地域を築くことが大切だと思います。

制度をつくること、研究をすること、講演など啓発活動をすることも大切ですが、在宅ホスピスケアの原点に立ったとき、現場で在宅ホスピスケアができる人々(専門職に限らず)が力を合わせて共に成長しながら活動を続けていきたと思っています。草の根のような会員ひとりひとりの活動が大きなうねりとなって、人生の最期を過ごす人々に幸せをもたらす年でありますように。

在宅ホスピス協会は、会員数約600名という大所帯になりました。しかし働きはまだまだ小さな組織です。会員ひとりひとりの力が必要です。どうぞメールなり電話なりでご意見をお寄せ下さい。またお手伝いいただける方も大歓迎です。

今年1年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。会員の皆様の幸いをお祈りします。

在宅ホスピス協会会長  川越博美

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