ニュースレター

第138号ニュースレター

2013年 新年のご挨拶

慎んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様、どのようなお正月を過ごされたでしょうか。昨年は8月に千葉県船橋市でHHA全国大会が行われましたが、約300名のご参加があり、熱気あふれるいい会でした。会が終わった後にたくさんの方に新しく会員になっていただき、会長として本当にうれしく思っております。

私個人としても厚生労働省から在宅医療連携拠点事業所の一つに選ばれ、点から面へ地域に在宅医療を広める為により一層奮闘した年でした。この事業の効果が形として現れるのはまだ少し後になるかもしれませんが、まだまだ浸透していない在宅ホスピスが地域に根差すきっかけとなってくれればと思っています。

在宅医療を始めて今年で25年、四半世紀が経ちます。病気をしてやむを得ず開業し、患者さんに頼まれて訪問診察をはじめましたが、自宅で穏やかに亡くなっていくがん患者さんを目の当たりにし、カルチャーショックを受けたのが、在宅医療にはまったきっかけです。最初から在宅医療を志していたわけではなく、緩和ケアの技術があったわけではない、どこにでもいるただの医師だからこそ見えたものがたくさんあると思っています。

そしてHHA顧問の上野千鶴子さんからの67の質問を受け、それに答える形で実体験を含めながらお話した本を出すことになりました。「上野千鶴子が聞く。小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?」というタイトルで、2月28日出版予定です。

この本を出すにあたって1例、1例患者さんのカルテを読み直すことで私自身、今まで以上に確固たる信念ができました。在宅ひとり死は①在宅医療、②緩和ケアのスキル、③生き方・死に方を考える看取りの哲学(ホスピス)をよく理解しあう事、この3点がそろえば、THPの地域包括ケアシステムの中では困難な問題ではなく希望死・満足死・納得死につながると思います。

『生まれる所・は決められないが、死ぬ処・は自分で決める。ところ・・・定まれば、こころ定まる。だから穏やかに死ねる。』

“ところ”という字を3種類に分けてみました。生まれる所の所とは、病院とか家とかいう場所を表し、死ぬ処の処とは自分自身が存在している・おる・ふさわしい処のことです。最後のところとは自分の肉体の中で生きてきたいのちもおさまる…そんなところ、そこがホスピスです。ところが定まればおのずと心も定まり、その結果、穏やかに生きている中で死ぬことができるということです。

日本在宅ホスピス協会の会員の皆様は当然、在宅ホスピスと縁の深い方々だと思いますが、是非一度この本を手に取ってみてください。少しでも何かがみえれば幸いです。

今年も皆様のご活躍をお祈り申し上げております。

日本在宅ホスピス協会 会長 小笠原文雄

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