日本在宅ホスピス協会

日本在宅ホスピス協会

058-273-5250月-金 9:00~19:00/土 9:00~12:00

協会についてABOUT

日本在宅ホスピス協会とは

 2011年に川越夫妻から会長という大役をお引き受けしてから早10年、在宅ホスピスを取り巻く環境はめまぐるしく変化しました。末期ガンだけではなく、心不全患者などの在宅でのホスピスケア実践報告が全国各地から聞かれるようになりました。

 しかし、在宅でのホスピスケアを担う働き手が少ないため末期がんや心不全患者とその家族の≪最後のときを自分の家で、自分らしく過ごしたい≫という思いを十分満たすには至っておりません。

 末期がんや心不全患者の在宅ケアと一口に言っても、その内容は千差万別です。病院で行われている医療をそのまま家で行おうとしたり、チ-ムで行わず医師個人の献身的な努力で行っていたり、病院スタッフがボランティア的な活動として行う場合もあるようです。

 日本在宅ホスピス協会では、在宅ホスピスケアの基準を作成し、ケアの質を一定に保つように努めています。私たちの志すことは、その基準に則った家庭でのホスピスケアです。

 家にあって十分な緩和ケアを受け、できるだけ家族や親しい友人と有意義な時間がもてるように、医療・看護・介護がチ-ムとなって提供する。残される家族の悲嘆に対しても引き続いてケアを提供する。そして、それが、どのような人であっても、どこに住んでいても受けられるようにする。そのようなことが可能となるように一つの運動として、医療者の側から声を上げていこうではないかというのが、在宅ホスピス協会設立の趣旨です。

 日本在宅ホスピス協会は、在宅ホスピスケアを実践する仲間作りに努めています。お互いに研鑚しあって、その知恵と技術を交換しあい、蓄積しあって、ネットワ-クを広げようという目的をかかげています。

 日本在宅ホスピス協会の活動は、広い意味での在宅ホスピスを我が国に広める全ての事業に関わることなのですが、具体的には、次のような活動を行います。

一人でも多くの方が、職種を越えて共に参加して下さり、活動の輪が広がっていくよう願っています。

会長挨拶

 清秋の候、皆様におかれましてはご活躍のこととお喜び申し上げます。

 新型コロナウイルス(COVID-19)に翻弄される日々が続く中、最前線にて健康福祉に貢献されておられる医療従事者、介護従事者各位に心より敬意と感謝を申し上げます。羅患された方々、不便、不安な渦中の皆様におかれましても、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い収束とご自愛を心よりお祈りしております。

 日本在宅ホスピス協会は、「ホスピスケアは在宅でこそ理想の形が成就できる。本物の在宅ホスピスケアを日本に誕生させ、それを普及させ、そして、それを担う医療者をぜひ育てたい」という目的で始められた会です。発足から24年、全国各地にまかれたホスピスマインドの種は次々に芽を出し、花が咲いたところもたくさんあります。そして、協会の思いを引き継ぐ医療者が増え続けていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

 私のモットーは、「寝る子は育つ」「笑う門には福来る」「あくび体操が笑顔で長生きのコツ」です。そして「癒しを提供するものは自ら癒されなければならない」なので、癒しを得るための方法を、患者や家族、関わるスタッフにも実践をしてもらっています。

 「朗らかに生きて清らかに旅立つ」ためには、苦痛があってはいけません。ACPを繰り返し行うことで患者や家族のこころのケアを提供すること、ケアを提供するチームが一丸となれる体制作りを含めた在宅ホスピスケアが広がっていくよう、日本の真ん中『岐阜』から、微力ではありますが努力してまいりたいと存じます。
簡単ではございますが、ご挨拶申し上げます。

令和3年10月吉日
小笠原内科・岐阜在宅ケアクリニック院長 小笠原文雄

協会会則

平成23年4月1日改正

第1条(名 称)
本会は、「日本在宅ホスピス協会」と称する。
第2条(目 的)
本会は、在宅ホスピスケア(活動)の、そのあり方を研究し、その普及発展及びその実施の支援を目的とする。
第3条(会 員)
本会は、在宅ホスピスケアに携わっている、あるいは関心があり、本会の目的に賛同する看護職、医師、ソーシャルワーカー、ケアワーカー、ボランティア等で、本会に入会した者をもって構成する。
第4条(事務局)
本会の事務局は、本会会長の定める場所に設ける。
第5条(事 業)
本会は、目的達成のため次の事業を行う。
  • 在宅ホスピスケアの実践のための援助活動
  • 在宅ホスピスケアに関する研究活動
  • 一般の人々を対象にした教育活動
  • 在宅ホスピスケアを志す医療者の育成
  • その他、本会の目的に添った活動
第6条(会 計)

本会の経費は、会費、寄付金及びその他の収入をもってあてる。

本会の会費は、以下のように定める。

〈入会金〉 2,000円

〈年会費〉

  • 個人会員  3,000円
  • 賛助会員 30,000円
  • 法人会員 60,000円
第7条(会計年度)
本会の会計年度は、4月1日に始まり、3月31日に終わる。
第8条(役 員)
本会には、次の役員を置く。
  • 会 長   1 名
  • 顧 問   若干名
  • 事務局長  1 名
  • 世話人   若干名
第9条(役員会)
  • 役員会は会長、顧問、事務局長、世話人により構成する。
  • 役員会は会長が随時招集開催する。
第10条(入退会)
  • 本会の会員は、本会の趣旨に賛成し、入会を希望した者で役員会よりその入会を承認された者とする。
  • 会員は、第6条の会費を定められた時期迄に支払う。
  • 会員は、事務局に届け出て、何時でも退会することができる。
第11条(会長、事務局長)
  • 本会の会長は、本会を代表し、総会、役員会を招集する。
  • 事務局長は、会長の委託のもとに本会の事務を掌握し、その遂行により本会の財産を保管し、一切の会計事務を処理する。
第12条(役員の選任)
  • 役員の選出方法は、次のとおりとする。会長は、総会において会員の中より多数決により選出される。任期は2年として、再選は妨げない。
  • 事務局長、顧問、世話人は、会長が任命する。任期は2年として、再選は妨げない。
  • 事務局長、顧問、世話人は、役員会にて辞めさせることができる。
第13条(退会判定)
会員に下記事由が存するときは、役員会において退会させることができる。
  • 会費を1年以上未納の者
  • 本会の趣旨に照らして、不当な者と認められた場合。
第14条(総 会)
総会は全会員によって構成され、下記の事項を決議する。
  • 会計、事業報告、次年度事業計画、年度予算、会長の選任、その他運営に必要な事項。
  • 定時総会は年1回開催する。
  • 臨時総会は会長、事務局長によって構成する役員会において必要と認めたとき、又は会員の3分の1以上の要求があったときに開催する。
  • 定時総会、臨時総会の定足数は定めず、出席者の過半数をもって決定される。
第15条(委員会)
役員会において、必要ある場合は、会員により構成される委員会を設置することができる。
第16条(会則改正)
この規約は、総会の3分の2以上の賛成により改正することができる。
付 則
  • この会則の遂行に関し、必要な会則は役員会にて決めることができる。
  • 本会則は、平成23年4月1日から実施する。

在宅ホスピスケアの基準

前文

ホスピスケアは生命の危機に瀕している患者が身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな苦痛から解放され、残された日々を人間としての尊厳を保ちながら、心身ともに安楽に過ごすことができるようにするためのケアである。それは、いかなる場所においても共有した理念のもとに、継続した形で実施されることが望ましい。

在宅ホスピスケアとは、患者の生活の場である“すまい”において実施されるホスピスケアのことをいう。“すまい”は、患者や家族が最も安らげる場であり、自分たちの意思を最大限実現できる場所である。したがって、在宅ホスピスケアは、最後の日々を“すまい”で過ごしたいと願う患者や家族を支援して、その希望を叶えるためのケアである。

在宅ホスピスケアの実施にあたっては、 患者と家族の理解と同意をもっとも重視する。 在宅ホスピスケアを受けている患者は、いつでも自由に、施設ホスピスケアへの移行や延命を目的とした治療への変更を希望することができる。ケアに携わる医療者は、そのような患者の希望を最大限尊重しなければならない。

この基準は、在宅ホスピスケアを望む患者とその家族に対して提供されるケアの基準である。この基準を制定する目的は、在宅ホスピスケアに携わるチームの構成員 、特に医療者等へ一定の基準を提供し、在宅ホスピスケアを選択する患者と家族の希望がより多く実現することにある。

基本理念

実施基準

1.対象者
2.提供されるケア
3.患者、家族を対象とした死の教育
4.チームアプローチ

地域緩和ケアの指針

地域緩和ケアの指針(地域におけるホスピス緩和ケアの指針)

日本在宅ホスピス協会は、当協会の仲間および全国各地で在宅ホスピス緩和ケアを実践してきた(積み上げてきた)全国の仲間たちの経験を踏まえて、地域で共有し、実践の拠り所となる「地域におけるホスピス緩和ケアの指針」を策定しました。

この指針の位置付けは、医療・介護従事者だけでなく、地域で対象者(疾病や障がいに伴う苦しみを抱えた人)に関わる人たち全てに向けたものと考えました。したがって、高度な専門的な医療技術に関するものではなく、そのような専門職とも連携し、またコミュニティ(地域社会)の各職種、各領域とも連携しながらホスピス緩和ケアを進めていくための指針としました。

ホスピス緩和ケアは、人が最期まで自分らしく、尊厳を持って生き、そして死ぬことを支える人権運動です。

この指針は、対象者だけでなく、その家族、友人・知人、医療・介護従事者、自治体関係者などのあらゆる人に向けて、対象者に関わる人たちの様々な苦しみを和らげて、対象者が希望を持ち続けながら、いのちを全うする事を目標としたものです。

基本となる理念
対象者
意思決定の尊重
チームによるケアの提供 実施基準
地域緩和ケアは以下のようなチームによって提供されます。
チームの構成と要件
提供される基本的緩和ケア
チーム内の運営
コミュニティとの関わり
チームの倫理性の確保

ENGLISH

Guidance of Japan Home Hospice Association

Our Aim

Our aim is to provide sufficient palliative care for patients with cancer in terminal stage at home. Patients who wish to spend their very limited time had often been obliged to stay in hospital against their wishes. Interdisciplinary team of physicians, nurses, and staffs for home health aide service from Japan Home Hospice Association are trying to enable these patients to spend their invaluable time with family members and friends at home. We also offer bereavement follow-up service for family members who are in distress in losing their beloved ones. This home hospice movement has been proposed and led by medical staffs, and we hope to be able to serve equally for anybody, anywhere in need.

Collaboration

Activities of Japan Home Hospice Association include all that promote home hospice movement in Japan.

They are

We welcome anybody from diverse fields of profession to work with us for the future development of the movement together.

Our Wish

We think and learn together for steady development of home hospice movement, finding solution to every problem which confronts us. Our wish is to hear the wish of those who earnestly hope to spend their limited life at home in their own life-style under sufficient care.

Japan Home Hospice Association
Address
Ogasawaranaika 3-3,Muramatucyo,Kano,Gifu-city,Gifu,500-8458,Japan
Phone
058-273-5250
FAX
058-273-6063
e-mail address
n-hospice@coast.ocn.ne.jp
URL
http://sky.geocities.jp/nihonnzaitakuhospice

The Standard of Home Hospice Care

Hospice care is a special kind of care designed to release incurable patients with limited remaining days from physical, psychological, social and spiritual pain, so that their last days may be spent with human dignity and in comfort in mind and body. Hospice care should be provided under a common idea and successively either in homes or institutions.

“Home hospice care” refers to hospice care implemented in patients’ homes where they spend their daily lives. Homes are spaces where patients and their families can not only feel most comfortable with relaxation but also realize their will without restrictions of medical staffs. So, home hospice care attempts to support both of patients and their families who wish to spend the patients’ last days at home and grant their wishes.

In home hospice care setting, comprehension and consent of the patient and family should be considered most important. Patients receiving hospice care at home may at any time and freely request to change to institutional hospice care or to transfer to conventional treatment for prolongation of their lives. Medical staffs attending to the care should respect such patients’ wishes as much as possible.

This standard established by Japan Home Hospice Association is the base on which home hospice care is offered to the patients and their families wishing to take it. The purpose of establishing the standard is to provide a definite guideline to team members who are engaged in home hospice care, especially to medical staffs, and realize the wishes of the patient and family selecting home hospice care as much as possible.

1.The Philosophy

1) The most priority is given to “quality of life of the patient and family” and cares are carried out to enable them to spend their lives comfortably at home.

2) One’s life should be respected and the process toward death of the individual should also be respected. Death should neither be hastened nor postponed.

3) Hospice provides a care which not only brings palliation of pain and other uncomfortable physical symptoms, but also supports solution of psychological and social distresses and sympathize with spiritual pain, so that patients can find out meaning of their lives.

4) The patient’s self-decision-making and family’s will should be maximally respected.

2.The Basics of Practice

1) The Indications

(1) Incurable patients with limited remaining days mainly due to cancer and their family

(2) Patients and their families who hope hospice care at home.

(3) It is desirable that patients themselves understand their diseases and conditions correctly. It is, however, not an indispensable condition for their receiving home hospice care

2) The Care Offered

(1) Periodical visiting to patients’ homes by physicians and nurses for medical treatments or care. Visiting services by other professionals according to the need.

(2) The care provided on a 24-hour-a-day, seven-days-a-week basis and chiefly in patients homes

(3) Palliative care being mainly concerned with the patients’ distresses.

(4) The programmed care provided to the bereaved family after the death of their beloved one.

(5) In the care, the entire family, not only the patient but the other family members, are considered a “unit ”

(6) The care based on informed consent.

3) Death Education to the Patient and Family.

(1) Home hospice supports patients and their families so that they can achieve not passive lives dependent on the medical staffs but active lives through to the death of the patients.

(2) The family members are educated how to provide routine care at home.

(3) Sufficient explanation about the conditions of patients is made to the patient and family to give them assurance, and the methods to cope with possible changes of the patient’ condition are guided in advance.

(4) The family members are educated on so that they comprehend the process to death of their beloved one and know how to nurse the dying person

4) Team Approach

(1) Hospice care is provided by a team, and the supervisor of the team is decided at the beginning of care. The basic unit of the team in home hospice care comprises physicians, nurses and persons assuming daily care, family for example. Family members are not only caretakers but also important caregivers in home hospice.

(2) Home helpers, pharmacists, volunteers and other members supplying medical equipment or nursing requisites participate in the home hospice team according to the need. In some cases it is also recommended that professionals for psychological or spiritual care join to the team.

(3) A close contact is kept among the team members and the information concerned should be shared. Communication system should be available on a 24-hour-a-day basis.

(4) Team meeting is carried out periodically.

3.Revision of the Text

The text mentioned above may be revised through the formalities based on the rules of the Japanese Home Hospice Association

29th., November, 1997.
Japan Home Hospice Association

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